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河川巡視ドローンと物流ドローン同時自律飛行の実証実験に成功
実績

全国初の河川上空利用ルール策定に向けて

河川巡視ドローンと物流ドローン
同時自律飛行の実証実験に成功

# 官公庁のお客様 # 国内 # 維持管理

前例のない「河川上空利用のルール」を作成

2022年12月に施行された改正航空法で「有人地帯における補助者なし目視外飛行(レベル4飛行)」が可能となったことを機に、都市部におけるドローンの利活用に期待が高まっています。特に河川上空は障害物が少なく、ドローンの自律飛行ルートに適しているため、将来的には河川管理だけでなく物流などの多くのドローンが河川上空を共有して自律飛行することが想定されています。
一方で、有人飛行機や道路では当たり前に存在する「交通ルール」に該当するものが河川上空では決まっていません。例えば、道路であれば車線ごとの方向、上限速度、重さや高さの制限が決まっていることで、複数の車がルールを守って円滑に走行できます。河川上空でも、様々なドローンが無人で自律飛行する際に守るべき「交通ルール」を定めることが課題となりますが、このようなルールは前例がないものでした。
荒川下流河川事務所では全国初の上空利用ルール策定のための実証実験を公募し、実験参加者からの意見をもとにルール策定を進めています。当社は、河川上空を河川管理用のドローンと物流用のドローンが同時に飛び交うことを想定して実証実験に参加するとともに、他の実証実験参加事業者の意見を取りまとめて、河川上空利用ルールの素案を作成しました。

  • 同時飛行の状況(高度が異なるため十分な離隔を確保しているが、目視での安全確認は困難)

円滑なドローン飛行を目指して

最初に実証実験の参加者として河川上空利用ルールを仮定し、河川巡視ドローンと物流ドローンの同時自律飛行を実施しました。あらかじめ河川巡視ドローンは低高度を低速度で運行し、物流ドローンは高高度を高速に飛行する前提で空域を分けて飛行ルートを作成し、KDDIスマートドローン社が開発した「スマートドローンツールズ」の運航管理システムを利用することで、複数のドローンの自律飛行を実施しました。実証実験当日は荒川下流河川事務所の災害対策室内から遠隔制御を実施し、河川管理者が運航する河川巡視ドローンでは、水門や護岸のリアルタイム映像を河川管理者が確認すると同時に、他事業者が運航する想定の物流ドローンが接近した場合も安全な距離を保っていることを管制画面で把握できることを実証しました。
上記の実験結果に加え、他の実証実験参加事業者を集めて意見交換会を開催し、各事業者の意見を反映した河川上空利用ルールの素案を作成しました。ルール案には、河川上空の「交通ルール」にあたる飛行可能空域/飛行禁止空域や遠隔監視などの考え方や、荒川下流河川事務所のホームページで運用している三次元河川管内図やオンライン一時使用届を活用した作業効率化を盛り込みました。このルール案により、ドローン事業者による飛行計画の作成と河川管理者による飛行計画の審査、双方の円滑化につながることを期待しています。





※2023年9月時点の情報です

  • 災害対策室での遠隔監視の状況(複数の機体の状態や映像をリアルタイムに監視)

  • 運航管理システムの画面(機体の飛行位置や河川巡視に必要な情報などを機体搭載カメラからのリアルタイム映像で確認しながら、遠隔操作によるドローンの運航を実施)

プロジェクト詳細

    業務名 :令和4年度荒川下流河川管理施設監理等検討業務
    発注者名:国土交通省関東地方整備局荒川下流河川事務所

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