Jブルークレジット® 制度の策定・運用支援
Menu
Jブルークレジット® 制度の策定・運用支援
ブルーカーボンとは、「海洋生物によって大気中のCO₂が取り込まれ、海草・海藻やマングローブ、塩性湿地などの海洋生態系内に吸収・貯留された炭素」のことであり、グリーンカーボン(森林によるCO₂吸収・貯留)の対語として、2009年に国連環境計画(UNEP)によって命名されました。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の最新情報によると、海域での吸収量(ブルーカーボン)は、陸域吸収量(19億t-CO₂/年程度)を上回る量(29億t-CO₂/年程度)と見積もられていることから、世界第6位の海岸線延長(約35,000km)を持つ日本は、世界的にも主要なブルーカーボン貯蔵国である可能性が高く、カーボンニュートラルの達成に向けた有効かつ新たな対策として、近年注目が高まっています。
2020年7月に国土交通省より認可を受けたジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE)は、パリ協定※の発効に伴い、ブルーカーボン生態系のCO₂吸収源としての役割、その他の沿岸域・海洋における気候変動緩和と気候変動適応へ向けた取り組みを加速すべく、あらたなカーボンクレジットとしての「Jブルークレジット®制度」(JBEから独立した第三者委員会による審査・意見を経て、JBEが認証・発行・管理する独自のクレジット制度)を創設しました。
当社は横浜市(横浜ブルーカーボン事業/1995年度~2020年度)や福岡市(博多湾ブルーカーボンオフセット制度/2019年度~2020年度)の業務実績・経験をもとに「Jブルークレジット®認証申請の手引き」の策定・運用支援を、本制度創設時より継続して行っています。
※パリ協定:「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする」という目的で、全世界で共通する国際的な取り組みのこと。先進国・途上国関係なく、すべての国で共通する目標であり、地球温暖化対策における基本となる方針。
カーボンオフセットの概要
「Jブルークレジット®認証申請の手引き」の策定にあたっては、当社が支援してきた横浜市や福岡市の地域ローカルの仕組みをベースに厳密性を高めつつ、民間企業やNPOなども含めた多くの関係者が申請しやすく、わかりやすいガイドラインとする必要がありました。
そこで私たちは、海域環境、藻類、カーボンクレジットなどに関する有識者のご指導のもとで、民間主導の組織である「ボランタリークレジット基準策定ガバナンス機関(ICVCM:Integrity Council for the Voluntary Carbon Market)」が公表した「コアカーボン原則」に準拠し、グリーンウォッシュ(実態を伴わないのにもかかわらず、あたかも環境に配慮した取り組みをしているように見せかけること)が生じないように、対象プロジェクト、ベースライン、追加性の考え方などを整理し、そのポイントなどを明記しました。また、第三者委員会による審査の視点を具体的事例とともに整理・図化するなどして、申請者がクレジット申請する上で必要となる現地調査や算定に当たっての留意点などを、わかりやすく表現しました。さらに、ブルーカーボンの吸収量・メカニズムなどの研究に関する最新情報を整理し、ブルーカーボンの算定式や吸収係数などの情報だけでなく、専門用語解説やFAQについても適宜更新を行っています。
※2023年8月時点の情報です
現地調査のポイント
ブルーカーボン量の算定式
プロジェクト詳細
業務名 :令和3年度 Jブルークレジット制度設計に関する検討補助業務
令和4年度 Jブルークレジット認証申請に関する手引書改良案の作成補助業務
発注者名:国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所