地下空間の安全・安心を確保する
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地下空間の安全・安心を確保する
都営地下鉄には浅草線・三田線・新宿線・大江戸線の4路線があり、1日の平均乗降人員は192万人に上ります(2020年4月~2021年3月)。初めての開業は1960年12月の浅草線(浅草橋~押上間)で、1968年12月に三田線(巣鴨~高島平間)、1978年12月に新宿線(岩本町~東大島間)、1991年12月に大江戸線(練馬~光が丘間)と続き、各線の延長・改良を経て、全4路線を合わせた現在の総延長は約109km、駅数は106駅となっています。
近年は安全・安心を確保するためにホームドアなどの保安設備や、浸水対策、地震対策等が進められる一方で、トンネルについては定期検査のほかに、国土交通省の「施設及び車両の定期検査に関する告示」に定められた20年に1度の詳細検査(特別全般検査)を行っており、当社は都の委託を受けて都営地下鉄新宿線の詳細検査を実施しました
新宿線路線図
検査は都営地下鉄新宿線の新宿駅から本八幡駅までの全線23.5kmを対象に、4年間かけて実施するという大規模なものであり、営業線を対象とするため、終電後のわずかな時間で実施する必要がありました。そのため、地下鉄の運行に支障が出ないように、いかに安全かつ効率的に検査を実施するかが課題でした。
営業線内の作業では、鉛筆一本置き忘れることも許されません。私たちは点検開始時と終了時の所持品チェックを徹底するとともに、日々の危険予知活動を実施し、安全行動を順守することで4年間の長期にわたる夜間点検作業を無事故で完遂することができました。
主な点検内容は、点検車両上と線路上からの目視および打音によるもので、点検結果に基づいてひび割れや漏水などの変状に対する健全度を判定しました。この健全度判定は、当社の有する維持管理や地下構造分野の知見、コンクリート診断技術を活かしながら、東京都交通局との協議を重ねて実施しました。また、今後計画的な修繕が実施できるように区間ごとの補修優先度を算出しており、この点検結果が施設の安全性を高め、地下鉄構造物の長寿命化に寄与することを期待しています。
※2021年9月時点の情報です。
都営新宿線坑内
都営新宿線坑内
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