城崎温泉への新たなゲートウェイの誕生
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城崎温泉への新たなゲートウェイの誕生
城崎大橋は、一級河川円山川を渡河する橋梁です。現況の城崎大橋は、架橋後約70年が経過し老朽化が進んでおり、幅員も狭く大型車の通行制限を行っています。また、橋脚数が22基と多く円山川の流下能力を阻害しています。このため、安全で円滑な交通の確保、治水安全度の向上、城崎温泉~玄武洞間のアクセス強化等による観光振興を図る目的で、現橋梁の下流側に新たに橋梁を架け替える計画・設計を行いました。
架橋位置は、円山川河口からの観潮区間に位置し、塩分遡上が確認されています。また、橋梁の大部分が河川上となることから、維持管理面では支承数をできるだけ減らし、ラーメン構造とすることが求められました。また、城崎温泉への新たなゲートウェイとしてシンボリックなデザインが求められました。
これらの課題に対して、できるだけラーメン構造を実現するための構造検討を重ね、安全性・耐震性・維持管理性の向上を図り、パース作成による景観性の確認を行いながらデザインや細部構造を計画し、当該橋梁の設計に取り組みました。
完成予想 パース
本橋は橋長561.5mのPC6径間連続箱桁橋となります。架設工法は片持ち張出架設工法を基本とし、側径間部は部分的に固定支保工架設を併用する計画としました。桁高は変断面として橋脚間でリズミカルに変化させることで、城崎大橋への新たなゲートウェイに相応しいシンボリックなデザインを採用しました。主桁断面は斜ウェブ構造を採用し、死荷重を軽減することでコスト縮減を図りました。ラーメン構造の範囲は、橋脚高が平均約15m程度と橋長に較べて低いため、全橋脚をラーメン構造とすることは難しく、5橋脚のうちのP2橋脚~P5橋脚の4橋脚をラーメン構造とする計画としました。P2~P5橋脚のラーメン構造を実現させるため、水平反力調整工を採用し、橋脚下端の断面力軽減を図りました。水平反力調整工は中央閉合部に油圧ジャッキを配置して、ウェブから加圧することとし、加圧による一時的な引張応力に対してはFEM解析を行い、必要な補強鉄筋を配置する計画としました。また、河川高水位や河積阻害率により断面寸法が限られる中で構造を成立させるため、高強度コンクリート(σck=50N/mm2)や高強度PC鋼材(19S15.7)の採用、ジャッキダウン工法による主桁曲げモーメントの軽減を行いました。
現在、現場では令和7年度の供用に向けて工事が進められており、橋梁の全貌が現れつつあります。
※2021年9月時点の情報です。
P1橋脚 張出架設状況
P1橋脚 張出架設状況
プロジェクト詳細