地域と連携したにぎわいづくりへのチャレンジ
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地域と連携したにぎわいづくりへのチャレンジ
都市の魅力を高めるにあたり、歩いて楽しめる「ウォーカブルなまちなか」を作ることがまちづくりの課題となっています。
2017年に武蔵野市が策定した「三鷹駅北口街づくりビジョン」では「住む人、働く人が集い、心地よく過ごす街」を目指し、パブリックスペースの利活用を進めることとしています。そこで、市と地域の企業・団体等が企画・調整し、2019年9月19日(木)~22日(日)に三鷹駅北口の道路空間を使ってみちあそび・マルシェ・飲食イベント等の社会実験を実施しました。
駅前の道路である「かたらいの道」「桜通り」の2か所で自動車を通行止めし、車道に人工芝を敷き詰めた広場やカフェセットを設置し、だれもが自由に過ごせる場所としました。また、子ども向けの遊び道具やチョークなどを用意し、みちで遊べるようにしました。さらに、サッカーやラグビーの地元チームによるスポーツ体験や地元飲食関連企業による軽食ブース、企業の体験ワークショップ、沿道の公開空地におけるマルシェや商店会の出店等、様々なコンテンツが揃い、連日多くの親子連れでにぎわいました。
当社は企画から運営までの支援を行い、周辺交通への影響やにぎわいを計測するための各種調査・効果検証を行いました。
かたらいの道(道路にチョークで落書きするなど子どもたちが遊ぶ様子)
にぎわいづくりの効果を検証する調査では、出店者、利用者双方で9割程度が「満足している」「通りがにぎやかになる」と回答し、高い評価と喜びの声を把握できました。安心して遊ぶことのできる居場所に非常に高いニーズがある一方、サラリーマンの多い地域でもあるため、子育て世代以外の取組みについても今後検討の必要があるという課題も見えてきました。
交通面では、通行止めによる渋滞などは発生せず、自動車流動上の問題も少ないことが確認できました。ただし、一部で生活道路への自動車の流入や荷捌き・送迎車両への影響が確認され、対策の必要性が示されました。
運営面では、芝生の設置・撤収や警備員の費用など、今後民間主導で取組みを継続する際には負担が大きいと考えられるものもあり、運営を維持するための人材や収益の確保が課題となります。
また、今般の新型コロナウイルス感染症の影響で、飲食店などでは客席を減らさざるを得ない状況になっており、緊急対策として道路を飲食スペースとして活用するための道路占用の規制緩和制度が設けられています。このような「新しい日常」の観点からもパブリックスペース利活用が注目されており、これを踏まえた取組の可能性を検証する必要があります。
今回の社会実験のような「地域と共に実践・検証する」活動は、業務を実施する私たちにとっても楽しくやりがいのある仕事です。これからも、まちづくりの現場から、「新しい解」をめざす取組みを進めてまいります。
桜通り(木漏れ日の下の芝生広場で自由にくつろぐ様子)
プロジェクト詳細