保健医療サービスを向上し
災害発生時も医療活動を継続可能とする
施設の強靭化
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保健医療サービスを向上し
災害発生時も医療活動を継続可能とする
施設の強靭化
ハイチは、中南米諸国の中でも保健指標が低く、保健サービスの拡充のためには保健施設の整備とリファラルシステム(病院間連携)の強化が重要であると指摘されていました。特に、地方病院の整備と医療サービスの向上が喫緊の課題でした。
ハイチは、地震多発地帯に位置し、2010年の大地震では死者約31万人、被災者は約370万人にも及ぶ甚大な被害を受けました。さらに年に数回の大型ハリケーンの襲来による豪雨・洪水災害も発生し、2016年にはハリケーン「マシュー」の直撃により、全土で死者1,000人を超える大災害となりました。
2008年のハリケーンによる被害が甚大であった3地域の拠点病院整備は重要案件とされ、その一つである南東県ジャクメル病院の整備について、日本に支援要請が2009年にありました。しかしその後、2010年1月に大地震が発生。同病院は施設数棟が損壊し、援助機関が建設したテントや仮設建物で診療を続けている状況でした。
同病院は、南東県で唯一、救急部門と周産期医療施設を持つ二次医療施設です。仮設の木造病棟とともに、崩壊を免れた既存病棟でも医療活動を継続していましたが、建物の損傷が激しく、余震によるさらなる被害も懸念される状況でした。
医療現場では診療・治療に供する施設・機材が不足し、二次医療施設としての役割を果たすことが困難な状況に陥っていました。本計画は、同病院の医療活動に必要な施設・設備・機材を整備し、医療サービス体制の強化を図ることで、地域住民の信頼を回復し、ひいては民生の安定に貢献する、基本的人間ニーズ(Basic Human Needs)に合致した協力事業として実施されたものです。
ハイチ地震による被害
木造仮設病棟
ハイチ地震による病院損傷
ジャクメル病院の患者キャッチメントエリアは、南東県の人口約51万人に加え、近隣県の人口約383万人と広く、本プロジェクトの迅速かつ適切な実施は、多くの患者に質の高い医療サービスを提供し、特にエリア内の女性や高齢者、子供、低所得者層の住民に対し、高い直接的な裨益効果を発揮しました。
さらに本プロジェクトでは、日本の免震技術を活用して建物の基礎部に免震装置を設置。大地震の発生直後、救急対応にあたる際にも、施設・設備・機材の損傷を最小限に抑え、継続的な医療活動を可能としました。
ハイチで策定された国家保健政策2012および保健行動計画2012-2022年では、「保健のための利用可能な資源とヘルスケアサービス管理の強化」の中に「保健インフラの強化と実施」が掲げられており、本病院の整備は、同国の中・長期開発計画の目標に資するプロジェクトとして、2016年に完成しました。
現在、同病院はハイチの保健・人口省により、国内の全二次医療施設の中で、他の地域・県にも保健医療サービスを提供する施設・設備・機材および病院運営におけるモデル病院と位置付けられています。
ジャクメル病院エントランス
免振装置
待合室
プロジェクト詳細