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60周年カウントダウン 砂漠の街に安全な水を「エジプト国ギザ州ギザ市上下水道整備計画」

砂漠の街に安全な水を
「エジプト国ギザ州ギザ市上下水道整備計画」

四千年の歴史が息づくエジプト。巨大ピラミッドや神殿などの古代遺跡が存在し、一度は訪れたい観光地として有名です。

1980年代、エジプトの首都カイロ市とともに大カイロ圏を形成する、三大ピラミッドを擁する国際観光都市・ギザ市では、急激な人口増加と住宅地域の拡大により、基礎インフラ、とりわけ上水道整備が大幅に立ち遅れ、深刻な給水不足に陥っていました。上水道普及率はわずか5%ほどで、日中は高温になる砂漠気候の中、住民は給水車や水売り業者から飲料水を買わなければならない状況でした。

このようにギザ市では劣悪な給水状況の改善が急務となっていましたが、エジプト政府は資金不足から浄水場や送配水管網の整備が困難だったため、ギザ市上下水道整備を日本政府に要請し、その結果、我が国の無償資金協力プロジェクトとして実施されることが決定されました。当社は、基本設計から工事施工監理までを一貫して担当し、ナイル川の水を安全な浄水としてギザ市民に届けるための浄水場建設や、その浄水場の水を各戸まで運ぶための送水管や配水池及び配水管網建設に関わる設計・施工監理を実施しました。

三大ピラミッドを背景に立地している30,000㎥の配水池は、様々な制限下で立地・景観を考慮して計画されました。後から計画された、2021年にオープンする世界最大規模の大エジプト博物館との位置関係により景観が問題になったものの、配水池の位置を移動させることで合意されました。工事停止期間4カ月の設計変更は、観光資源への配慮を重要視する観光大国エジプトならではの要望だったのではないでしょうか。

当社は、これらの施設整備協力のみならず、2006年~2014年の8年間にわたって、エジプト全国上下水道公社の持続的水道事業運営のため、水道運営維持管理能力向上プロジェクトの実施により水道分野の人材育成を支援し、エジプトにおける水道分野の自立発展に貢献しました。

場所:エジプト・アラブ共和国

業務期間:1988年~2005


60周年まであと461日(2021年10月25日公開)

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