Menu

60周年カウントダウン 国内最大級の規模を誇るロックフィルダム「胆沢ダム」

国内最大級の規模を誇るロックフィルダム「胆沢ダム」

胆沢ダムが位置する胆沢平野は、古来より人々の営みがありました。しかし扇状地の特性上水の確保が難しい上に、雨が降ると暴れ川となり流路が著しく変動することから、人々は用水の確保に知恵を絞ってきました。また、胆沢ダムが合流する北上川流域は、度々大規模な洪水被害に見舞われてきました。人々にとって、安定した水の確保、頻発する北上川の洪水被害の低減は悲願であり、胆沢ダムが建設されました。

当社は基本設計に始まり、本体の実施設計から施工中の細部設計、試験湛水中の提体挙動解析と、胆沢ダムに関わってきました。

胆沢ダムは、施工中に平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)と2度の震災で被災しました。特に2008年の震災では震源地が近かったこともあり、ダム本体、洪水吐きなど大きな被害を受けながらも、関係者の努力により20143月に完成しました。胆沢ダムは、上記のとおり2度の大規模地震を経験し、補修を行った箇所が多くあることから、これらのモニタリングなどを行う観測監視業務が継続して実施され、当社も業務に携わりました。

「ねぇ、すごく大きいでしょう。私の昔の家がね、ダムの底に沈んでいるのよ。すごいでしょう!」当社のダム担当者が、現地で地元の方にかけられた言葉です。笑顔で話すその女性からは、水が安定的に供給されることへの感謝と、日本最大級のダムに自分も関わっているのだ、という誇りが感じられたと言います。

今では観光名所の一つとなり、地元民だけでなく多くの人が見学に訪れている胆沢ダム。その姿はまるでどっしりと鎮座して、水を求めた人々を見守っているかのよう。ダム周辺には温泉もあるので、旅行がてら一度その迫力を体感しに行ってみてはいかがでしょうか。

場所:岩手県奥州市

業務期間:1988年~2021年


60周年まであと206日(2022年7月7日公開)

過去掲載(アーカイブ)はこちら

この世界に、新しい解を Innovative solutions for the society