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2015年11月09日

湖沼の水質改善を可視化 | 3次元貯水池水質解析

はじめに

私たちは、首都大学東京が研究開発した3次元環境流体モデル(FANTOM3D)に、富栄養化現象を予測する貯水池水質予測モデルを首都大学東京、鳥取大学、山口大学と共同で組み込みました。 これは、閉鎖性水域の水質問題へ取り組む研究者や企業に対し、問題解決のためのツールを拡充することを目的として、産学連携を目指した首都大学東京の特定研究寄付金制度を活用して開発しました。


モデルの概要

◆ 三次元の貯水池水質解析です。
◆ 複数のCPUで並列計算が可能。
◆ 流動モデルと生態系モデルからなるモデル。
◆ 流動モデルには乱流モデルが組み込まれている。
◆ 生態系モデルは植物プランクトンを中心とした、栄養塩類の物質循環モデルが組み込まれてる。
◆ 深層曝気装置、流動制御フェンス、プロペラ式循環装置モデルが組み込まれている。

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◆ ダム貯水池や湖沼で生じる複雑な水の流動や物質の移動、それに伴う水質の変化を詳細な地形を反映して予測する事が可能です。


◆ 貯水池の三次元流況解析・水質予測     
貯水池の縦断方向、横断方向、鉛直方向の流動を解析し、富栄養化や濁水の挙動を予測できるので、各種水質保全対策の設置位置や必要な出力について具体的な解析が可能。

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① 流動制御フェンス
貯水池に横断する膜を張り、上流から流入する濁水や栄養塩(窒素、りん)を貯水池の中下層に誘導する。
貯水池のどこに、どの規模で設置すると効率的に濁水を排除できるのか、栄養塩(窒素、りん)を植物プランクトンが増殖する水深に入らなく出来るのかを検討する。

② 深層曝気
陸上に設置したコンプレッサーで圧縮した空気を貯水池内に設置した散気管に送風し、吐き出すことで上昇流を創出し、貯水池の鉛直循環を促す。
貯水池のどこに、どの規模で設置すると、貯水池表層の水温を効率的に植物プランクトンが増殖しにくい水温に低下させられるかを検討する。


富栄養化の予測

◆ 流入する栄養塩や貯水池の水温、日射量が植物プランクトンが増殖する条件に合うと異常に増殖し、アオコと呼ばれる現象が発生して水質を汚濁します。
◆ この解析結果は、入江でアオコが先行的に発生し、貯水池全体に広がっているのを再現しています。


流動制御フェンスによる濁水の中下層への誘導

◆ 貯水池に横断する膜を張り、上流から流入する濁水や栄養塩(窒素、りん)を貯水池の中下層に誘導します。
◆ この解析結果では上流から流入した濁水がフェンスに衝突し、貯水池下層に潜り込んでいるが再現されています。


表層水移送装置による 表層水の中下層への封じ込め

【プロペラ式循環装置】

◆ 水面に設置した吸引装置により吸い込んだ表層水をプロペラ式の水流装置により、中下層に押し込んで鉛直循環流を創出したり、植物プランクトンを日光の届かない水深まで押し込んで増殖を抑制します。
◆ この解析結果では、表層で吸い込んだ水を下層から吐き出し後、周辺の水と交ざりながら中層で横方向に広がっている様子が再現されています。


連絡先

詳しくは、お電話またはE-mailにて、お問い合わせください。

03-5822-7763
tmy-suzuki@yachiyo-eng.co.jp

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