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2025年11月19日

有明海における「AI高潮予測モデル」を構築
〜900通りの高潮予測を2分弱で計算、高精度で迅速な予測を実現〜

八千代エンジニヤリング株式会社(本店:東京都台東区、代表取締役社長執行役員:高橋 努)は、九州大学と共同で、AI技術を活用した「AI高潮予測モデル」を構築しました。
本モデルは、有明海を対象としたもので、気象庁が発表する台風予報データのみを用いて、高潮偏差を瞬時に予測することが可能です。



・モデル構築の背景・

台風や強い低気圧による気圧変化や強風により潮位が大きく変動する「高潮」は、大規模な浸水被害をもたらす可能性があります。従来の高潮予測の多くは物理モデルが用いられており、海底地形モデルなどを緻密にすれば高精度に予測が可能なものの、計算時間が長いという課題がありました。また、台風が有明海の東側・西側のどちらを通過するかで湾域の風の強さや向きが変わりますが、気象庁の台風進路予報は、有明海の湾幅以上の誤差が生じることも多く、台風予報精度が高潮偏差に大きな影響を与えているという課題がありました。



・「AI高潮予測モデル」・

「AI高潮予測モデル」は、予め作成した大規模データの学習とモデルチューニング(AIモデルがより良い性能を発揮できるように、学習データや設定を調整する)の工夫により、迅速かつ高精度な高潮偏差の予測を実現しました。また、気象庁の予報データ(無料で配信)のみを用いて予測可能なため、運用コストを抑えることができます。

❶ 迅速な高潮予測を実現
AIが瞬時に計算を行うことで、予測時間を大幅に短縮します。気象庁の台風予報に基づき設定された900通りの高潮予測を、2分弱という短時間で計算することが可能です 。

❷ 予測精度を向上
台風の位置情報を、緯度経度ではなく「予測地点からの距離と角度」でAIに入力することで、特徴量の解釈性が高まり、予測精度の向上を図りました。また、d4PDF(気象外力)で作成した仮想の台風(1440年分)に加え、「実績台風によるフィードバック」を受ける手法を構築することで、予測精度を大幅に改善しました 。

❸ 台風予測の不確実性を考慮した予測
台風予報の進路には「予報円」で示される不確実性が含まれます。本モデルは、予報円に基づいて作成した900コースの高潮偏差を計算することで、不確実性を考慮した予測が可能になりました。



AI高潮予測モデル構築手順


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弊社は、本技術の活用を通じて、高潮災害に対する防災・減災、および安全な避難行動の支援に貢献してまいります。



▶11月19~20日開催の「先進建設・防災・減災技術フェアin熊本2025」に出展しています。
https://www.yachiyo-eng.co.jp/news/2025/11/post_960.html