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南阿蘇鉄道全線復旧事業推進プロジェクト
実績

南阿蘇鉄道、熊本地震後7年ぶりに全線で運転再開

南阿蘇鉄道
全線復旧事業推進プロジェクト

# 官公庁のお客様 # 国内 # 交通基盤 # 鉄道

待ち望まれた鉄道再開

2016年4月に発生した熊本地震で被災した南阿蘇鉄道は、橋梁やトンネルを含む多くの鉄道施設が甚大な被害を受け、立野駅から中松駅までの区間の10.6kmが運休を余儀なくされました。南阿蘇鉄道の復旧にあたっては、まず国直轄による復旧のための調査が決定され、鉄道総合技術研究所からの発注により、鉄道施設災害復旧調査を実施しました。その後、南阿蘇鉄道全線復旧に向けて、南阿蘇鉄道株式会社からの発注により、橋梁の架替えを含む各種設計業務と事業を円滑に進めるためのマネジメント業務を実施しました。
本プロジェクトは、2017年12月に着手し、地質、土工構造、橋梁、トンネル、軌道構造など各分野の技術力を結集して、当初の計画どおり2023年3月に無事施工完了させることができました。その後、2023年7月15日に南阿蘇鉄道は全線開通し、約7年ぶりに地域住人のライフラインが復活するとともに、観光資源としても大きく期待され、地域貢献に大きく寄与することができました。

  • 南阿蘇鉄道全線復旧セレモニー列車(高森駅)

震災前の景観美を復活

被害箇所の調査業務では、被害が発生した箇所を中心に、復旧を行う基礎調査のためのボーリングをはじめとした地質調査、測量や落石調査など多岐にわたり実施しました。
設計業務では、土工部の補強盛土や落石対策、各種擁壁・法面対策の土構造設計や戸下トンネルの損傷状況に応じた孔内覆工の補修、アンカー・支保工の復旧設計を実施しました。また、2015年(平成27年)に選奨土木遺産に選出された、南阿蘇鉄道を象徴する存在である第一白川橋りょうは、熊本地震の影響により、複数の部材が損傷を受け、架替えによる復旧計画が必要となりました。新しい橋は、耐震性能を向上させることはもとより、旧橋の構造形式・部材の断面寸法・色を踏襲し、震災前の景観美を復活させることをコンセプトとして設計を実施しました。なお、第一白川橋りょうは「令和4年度土木学会賞田中賞(作品部門)」を受賞しました。
マネジメント業務では、復旧事業を円滑に行うため、事業計画案の作成、関係機関協議資料作成・協議、鉄道施設の変更届・変更認可申請書の作成・協議、各種補助金申請書類の作成、復旧工事の工事発注支援、施工管理補助などの事業管理補助を実施しました。



※2023年9月時点の情報です

  • 第一白川橋りょう被災状況

  • 戸下トンネル工事完了状況

  • 実車による橋梁たわみ計測状況

プロジェクト詳細

    業務名 :南阿蘇鉄道全線復旧事業推進プロジェクト
    発注者名:南阿蘇鉄道株式会社

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