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1993年の軍事独立政権に対する先進国の経済制裁により、ナイジェリアは深刻な財政難に陥りました。国民への経済的負担を和らげるため、周辺国より低く電力料金を設定した結果、電力公社の財政は逼迫し、新規投資、既存設備の維持管理などが十分に行われない状況で設備の老朽化が進行していました。当時のナイジェリアの電化率は都市部で60%、地方部では20%で、国全体の電化率は34%でした。当社は、ナイジェリア国の電化率の上昇を目指して、4州・5町、対象人口98,300人に対し、33kV送電線路延長349km、33kV開閉所×5カ所、33/11kV変電所(1MVA~2.5MVA)×4カ所の設置および11kV配電用資機材、維持管理用道工具、予備品などを調達しました。
2004年2月に実施終了した際の完成引渡し会場にて、当時のオバサンジョ大統領がヘリコプターで駆け付け、日本側へ感謝の意を述べられ、完成現場の視察を行いました。
今では当初目標の電化がほぼ完成し、それぞれが電気という新たな文明の利器を手に入れたことで生活様式も変化し、21世紀を享受しています。住民からは、「街灯により治安が格段に向上した」、「夜はTV番組や音楽が家の中で楽しめ、生活に張り合いが出た」と生活の向上を喜ぶ声が多く寄せられました。また、あるお母さんからは「暗い中で料理をして、指先を包丁で切ることがなくなったわ」と喜ばれました。
私たち日本人にとって電気は当たり前のインフラですが、いまだに途上国では電化率が半数にも満たない国が多くあります。同じ時代を生きる人々が、ともに豊かな生活を送れるよう、これからも私たちが出来ることに一つずつ取り組んでいきます。
場所:ナイジェリア国ナッサラワ州2町、バウチ州、ゴンべ州2町、ボルノ州1町
業務期間:2002年~2004年
60周年まであと115日(2022年10月6日公開)
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