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100年の時を超えて再建された橋「森村橋再整備プロジェクト」

100年の時を超えて再建された橋
「森村橋再整備プロジェクト」

1906年、民間会社により架橋された森村橋は、時代の変化に合わせて軽便鉄道、道路、歩道橋として2003年まで地域住民に活用されていました。補強や塗り替えを繰り返しながら維持してきましたが、部材の老朽化が進み補強だけでは維持が困難となっていました。
当社は、森村橋の復元と橋詰の広場の設計にて、この歴史ある森村橋の再建に携わりました。
森村橋の改築では、各点部分の腐食が激しく、部分的に新規材料に取り換えが必要でした。そのため、一度解体した上で工場内にて組み換え作業を行い、現地で再構築するという大規模な改修工事となりました。なお、建設当時の部材の約7割を再利用するとともに、建設当時の細部の意匠の復元に務めました。
当時の設計図書が乏しく、町中の倉庫の古文書を探し読み解くところから始まりました。苦労も多かったですが、100年にわたる補強や補修の履歴を理解し、当時の意匠と技術基準との整合性を検討するなど、新設設計とは異なる困難や楽しさがありました。
なお、これらの取り組みが評価され、2020年度土木学会賞において田中賞(作品賞)を受賞しています。
竣工後には「森村橋保存会」も発足され、2005年に国登録有形文化財となった森村橋の歴史を後世に伝えていこうと、町民講座やふるさと発見講座などが開催されています。
また、夜は季節ごとにプログラムされた色とりどりのライトアップによりさまざまな演出が可能となり、観光復興も期待されています。


場所:静岡県小山町

期間:2016年~ 2017年


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