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2023年06月27日

土木遺産『大井川橋』の耐震補修設計に携わりました
―歴史的構造物としての価値を保全する耐震補修設計を実施―

八千代エンジニヤリング株式会社(本社:東京都台東区、代表取締役社長執行役員:高橋 努)が耐震補修設計を実施した、静岡県県道381号島田岡部線(旧国道1号:島田市~金谷町間)に架かる土木遺産『大井川橋』が、この度69日に補修工事が完了いたしました。

当社が行った『大井川橋』の耐震補強設計では、橋脚の石張りを残しつつ内空部を充填して耐震性能を確保し、既存石張と内空部表面に段差を設置して建設当時のアーチ形状のなごりを残すことで土木遺産である『大井川橋』の歴史的構造物としての価値も保全しました。


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■大井川橋について

大井川では明治初期以降、木造橋を架設していましたが、しばしば増水で流失していたと言います。『大井川橋』は1928年(昭和3年)3月、橋長1026m・17径間の鋼トラス橋※1として誕生しました。建設当時の最先端の技術を用い、戦前の下路式プラットトラス形式※2としては最大橋長を持つ道路橋で、アーチ状開口部を持つ切石積の橋脚です。

2003年には建設当時の姿をよく残していることから土木学会推奨土木遺産に認定、また静岡県土木遺産にも指定されています。

 

1 トラス橋:橋桁を「トラス構造(三角形の集合体)」で補強した橋。

2 プラットトラス形式:斜材が「逆ハの字」に配置され、上弦材、下弦材、鉛直材で構成されるトラスで、長い斜材が引張力を負担し、短い垂直材は圧縮力を負担する構造です。