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2024年03月05日
八千代エンジニヤリング株式会社(本店:東京都台東区、代表取締役社長執行役員:高橋 努)が支援を行った北陸新幹線の金沢・敦賀間が2024年3月16日に開業します。
弊社は、今回開業する金沢・敦賀間の4カ所の橋と散水消雪設備を設計しました。その中で、九頭竜川橋りょう(福井県)は、全国初の新幹線と道路の併用橋となっており、第2竹田川橋りょう(福井県)は、鉄道橋PC箱桁橋のなかで最も長い支間長を誇ります。また、手取川橋りょう(石川県)は、今回開業の区間では最大級の橋長という特徴を持っています。
北陸新幹線は、1973年に施行された全国新幹線鉄道整備法※に基づき、東京から大阪までの整備計画が定められている整備新幹線です。1997年10月1日に高崎・長野間の117km、2015年3月14日に長野・金沢間の228kmが開業しました。金沢・敦賀間の125kmについては、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(本社:神奈川県横浜市、理事長:藤田 耕三)(以下、JRTT鉄道・運輸機構)が建設主体として事業を進めており、今回の開業に至りました。
※全国新幹線鉄道整備法:高速輸送体系の形成が国土の総合的かつ普遍的開発に果たす役割の重要性にかんがみ、新幹線鉄道による全国的な鉄道網の整備を図り、もって国民経済の発展および国民生活領域の拡大並びに地域の振興に資することを目的とした法律
・弊社の支援内容
4カ所の橋の設計
弊社は開業する金沢・敦賀間において、九頭竜川橋りょうを含む、特徴的な橋を設計いたしました。
■手取川橋りょう(石川県能美郡)
一級河川手取川をわたる3径間※1連続PC※2箱桁※3ラーメン※4橋と4径間連続PC箱桁ラーメン橋で構成されています。橋長558mは、北陸新幹線金沢・敦賀間でも最大級の橋長を有します。
■小松木場潟高架橋(石川県小松市)
木場潟高架橋は木場潟のすぐ脇を通る高架橋で、地盤が非常に軟弱なため、鋼管杭※5を傾けて打設する斜杭基礎を採用することで、耐震性を確保しつつ、杭径を小さくしコストダウンに寄与しています。
■竹田川橋りょう(福井県あわら市)
竹田川橋りょうは第1、第2、第3とあり、一級河川竹田川を3カ所横過する3径間連続PC箱桁ラーメン橋です。なかでも第2竹田川橋りょうは、鉄道橋PC箱桁橋としては国内最大支間長125mを誇ります。
■九頭竜川橋りょう(福井県福井市)
一級河川九頭竜川をわたる7径間連続PC箱桁橋です。鉄道橋と道路橋が下部工を共用した一体橋で、新幹線と道路の一体橋は全国で初めての事例です。
弊社ホームページでもご紹介しています。
https://www.yachiyo-eng.co.jp/case/KK04021/
消雪散水設備の設計
降雪時の新幹線の走行を円滑に行うため、井戸水や熱源機で温めた水を新幹線の高架上に散水して積雪を防止する散水消雪設備を設計しました。金沢・敦賀間では17カ所(保守基地を含んだ機械設備)に設置され、豪雪地域における新幹線の安定輸送に貢献します。
弊社ホームページでもご紹介しています。
https://www.yachiyo-eng.co.jp/challenge/special/60th_19/index.html
※1 径間:橋脚と橋脚の間
※2 PC(プレストレス・コンクリート):圧縮応力(プレストレス)をあらかじめコンクリートに人工的に加えることで従来のコンクリート構造よりも耐久性に優れた材料。
※3 箱桁:箱型の桁
※4 ラーメン:橋の桁と脚が一体化した構造
※5 鋼管杭:外力に対して抵抗力が高い鋼製の杭で、軟弱な地盤の基礎に適用される。