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オフグリッド型ドローンポートシステムで導く「解」
自然災害が毎年のように発生する中、山間部の災害復旧現場では、落石や崩壊といった二次災害のリスク回避と施工管理の効率化をいかに両立させるかが喫緊の課題となっています。この解決策として、私たちは「オフグリッド※型ドローンポート」を活用した遠隔自動操作による斜面監視システムを構築しました。本システムは、ソーラーパネルによる自家発電と衛星通信を組み合わせることで、インフラ未整備の環境下でも完全無人での長期運用を可能にします。また、遠隔運用とデータ処理の自動化により、日々の斜面点検にかかる現場作業時間を9割以上短縮しました。私たちの最大の強みは、こうしたデジタル技術で得られたデータをもとに、専門技術者が技術的視点から高度なリスク評価を行える点にあります。具体的な運用フローとしては、まず遠隔自動航行からオルソ画像生成までを完全自動化し、AIが前日と当日の画像を比較して変状箇所を自動抽出することでスクリーニングを行います。その抽出結果を受けて、地質・地盤技術者が地すべりリスク評価を実施します。この連携により得られた確かなデータを毎日現場に共有することで、迅速かつ実効性のある安全管理体制の構築に貢献しました。この実証実験で得られた知見は、特定の現場にとどまらず、全国の災害現場やインフラ施設に広く展開できるものです。今後も建設業界の担い手不足といった課題にも向き合いながら、より高度な安全性の確保と生産性向上を実現する「新しい解」を社会に提供し続けていきます。
※オフグリッド:電力会社の送電網(グリッド)に依存せず、太陽光や風力などの自然エネルギーを用いて、現地にて電力を自給自足すること。
写真左:国内事業部
地質・地盤部
コンサルタント
村松 樹
写真右:技術管理本部
デジタルビジネス推進部
リーダー
宮本 冬馬
※2026年6月時点
本システムは世界中どこでも設置可能であり、災害監視から日々の巡視まで、土木分野での活用範囲は無限大です。私たちが目指すのは、誰もが安全に、物理的制約を超えて活躍できる未来の創出です。現場の完全無人運用により、作業員の二次災害リスクを根本から排除します。さらに、全国のパイロットによる遠隔操縦や専門技術者のリモート診断を可能にすることで、現場へ赴く負担を解消し、業界の担い手不足という構造的課題に挑みます。これらの取り組みを通じて、現場の安全性向上と建設業界の人手不足解消に寄与するとともに、人々が安心して暮らせる社会の構築に貢献していきます。
安全性と生産性の両立
建設業界では、労働人口の減少や働き方改革への対応が急務であり、デジタル技術活用などによる生産性向上が求められています。特に、落石などのリスクを伴う山間部や災害復旧現場では、作業員の安全確保と日々の施工管理の効率化をいかに両立させるかが課題です。
最新デジタル技術×専門知見
当社は、ドローンや衛星・AIなどの最新技術を扱う専門部署が取得したデータを、各分野の専門技術者が即座に分析・判断できる連携体制を強みとしています。デジタル技術と総合コンサルタントとしての専門知見を直結させ、あらゆるインフラ課題を的確な解決へと導きます。
オフグリッド型ドローンポートは、電源や通信網のない現場でも、遠隔自動飛行から3Dモデリング、AIによる画像解析までの一連の工程を自動化するソリューションです。場所を問わず設置が容易なため、危険な現場に人が立ち入ることなく安全に監視が可能となり、高い汎用性を実現しました。これにより「安全性確保」と「生産性向上」を同時に実現します。
さらに、遠隔自動航行の確立により、操縦者のスキルや活動場所に依存しない安定運用を可能にしました。監視・点検業務の属人化を防ぎ、専門技術者がどこからでも高度なリスク評価を実行できる体制を構築します。建設業界の担い手不足に対し、現場のあり方を根底から変革する解決策を提示します。
新たな施工モデルを実現
能登半島地震の復旧現場にて、「オフグリッド型ドローンポート」を活用した斜面監視を実施しました。ソーラー発電と衛星通信を組み合わせ、インフラが寸断された環境下での完全無人運用を実現。データ取得からAI解析までの自動化により、現場作業時間を約91%削減しました。毎朝の解析結果を作業前の朝礼で即時共有することで二次災害リスクを最小化し、過酷な環境下における安全性確保と生産性向上の両立を証明した、国内初の事例です。
地形変化をとらえた
オルソ画像
下図(上図は前日)に
落石が発生
1924年に竣工し、2024年に国の重要文化財に指定された東京の旧岩淵水門(通称:赤水門)は、長年にわたり人々の暮らしを洪水から守ってきました。当社は、赤水門の維持管理に向けてUAV調査を実施しました。取得した画像から高精度な3Dモデリング技術である「ガウシアン スプラッティング技術」による3Dモデルを構築し、維持管理の高度化に向けた取り組みを推進しています。
3Dモデル
価値の高いインフラ維持管理モデル確立に向けて
インフラの維持管理をとりまく環境は常に変化しており、最適な手法を追求し続ける必要があります。本技術のように、社内の知恵と技術を結集した技術提案が、管理者・関係者に評価されていることは励みになっています。今後も、社会ニーズに応じた技術開発・普及により、価値の高いインフラ維持管理を社会に実装していきます。
国内事業部
社会マネジメント事業室
シニアコンサルタント
古賀 淳
※2026年6月時点
ーESGの取り組みー