Menu

NEWS

2026年08月07日

弊社が支援した長野県営最大*の水力発電所「春近発電所」および「高遠ダム」の大規模改修が2026年7月31日に竣工式を迎えました
~クリーンエネルギー拠点として出力25,300 kWへの増強と災害時の自立運転機能を実現~

八千代エンジニヤリング株式会社(本店:東京都台東区、代表取締役社長執行役員:高橋 努)が、調査・設計・許認可申請支援などのコンサルティング業務を行った、長野県企業局 南信発電管理事務所が所管する「春近発電所」(長野県伊那市東春近)および、その取水施設である「高遠ダム」(同市高遠町東高遠)の大規模改修プロジェクトが完了し、2026年7月31日に竣工式を迎えました。

本プロジェクトは、設計・施工を一体で進める一括発注方式(デザインビルド方式)のもとで推進され、弊社は共同事業体(JV)の一員として参画いたしました。

春近発電所の主要施設改修設計をはじめ、高遠ダムの洪水吐ゲート大規模改修工事に伴う基幹的な調査・設計業務などを担当し、安全かつ持続可能な社会インフラの再構築に貢献いたしました。

*長野県企業局が所管する水力発電の中で最大出力。

改修された春近発電所の外観

改修された春近発電所の外観


・「春近発電所」および「高遠ダム」大規模改修プロジェクトについて・

春近発電所は、天竜川水系の三峰川みぶがわ総合開発事業として1958年7月に運転を開始しました。高遠ダムから取水した水を約10.6 kmの導水路で導き、高低差を利用してクリーンな電力を生み出してきましたが、稼働開始から60年以上が経過したことで発電設備および取水設備の老朽化が進行していました。また、日本最大級の断層である中央構造線に近接する地理的要因から、大規模地震に耐えうる抜本的な構造強靭化が必要とされていました。
これら複合的な課題の解決に向け、長野県企業局は一括発注方式を採用し、2つの大規模工事を推進いたしました。弊社はそれぞれの共同事業体に参画し、調査・設計・コンサルティングを実施いたしました。
このたび改修が完了し、春近発電所の最大出力は従来の23,600 kWから、長野県営として最大となる25,600 kWへと増強され、水力発電による再生可能エネルギーの供給量がさらに拡大いたしました。
さらに春近発電所の敷地内には、水力発電の仕組みや再生可能エネルギーの大切さを体験的に学べる展示棟の「ハルミナ(HALUMINA)」が新設され、地域に開かれた学びの場としての活用も期待されています。弊社は、今後も地域に寄り添い、持続可能な社会のインフラ構築に貢献してまいります。


<参画共同企業体について>

事業名:春近発電所大規模改修工事

受注者:清水・神稲・八千代エンジニヤリング共同企業体

構成員:代表構成員/清水建設株式会社

構成員/神稲(くましろ)建設株式会社、八千代エンジニヤリング株式会社


事業名:高遠ダム洪水吐ゲート大規模改修工事

受注者:佐藤・熊谷・神稲・八千代共同企業体

構成員:代表構成員/佐藤鉄工株式会社

構成員/株式会社熊谷組、神稲建設株式会社、八千代エンジニヤリング株式会社



・弊社の実施範囲について・

弊社は、これまで培ってきた高度な技術力を活かし、以下の業務を実施しました。

1. 春近発電所大規模改修工

水を取り入れる取水口、水を貯める上水槽、発電機に水を送る水圧鉄管、放水庭、放水口の設備および、水を通すゲート関連設備の機能回復・耐震改修設計を行いました。基礎調査として測量・地質・環境調査を実施し、その結果を設計や工事の際の施工計画に反映しました。さらに、河川法上の申請手続きや、春近発電所の再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)の申請に必要となる資料作成および申請補助を行い、プロジェクト全体の円滑な推進をサポートしました。
また、大規模停電などの災害発生時に備え、地域の防災電源を確保するための「自立運転型小水力発電施設」の新設設計も担当。これにより、停電時にも施設単独で電力を供給し、地域の安全・安心を支える仕組みを構築しました。2022年11月より春近発電所を一時休止して工事を進め、2025年4月に設備を一新して運転を再開しています。


2. 高遠ダム洪水吐ゲート大規模改修工事

春近発電所の安定運用に不可欠な取水口としての機能を維持・強化するため、60年以上が経過し老朽化した放流用の門扉である洪水吐ゲートに対して、長期の使用に耐えうる最新設備への更新設計を実施しました。

高遠ダム堤体の健全度調査を実施し、想定しうる最大規模の地震が起きた際のゲート、門柱、天端橋梁(管理用の橋)などの耐震性能照査を行いました。その結果を受け、大規模災害時にも必要な操作が可能な洪水吐ゲートの設計を行いました。

また、ダム管理の省力化を図るため、ダム水位を安定的にコントロールするための小容量放流設備「貯水位維持用スライドゲート」を導入いたしました。

さらに、工事への円滑な開始に向け各種許認可申請を実施しました。

工事中の高遠ダムの様子

工事中の高遠ダムの様子