Menu

NEWS

2026年09月03日

「DNP EB防錆粘着シート」を用いた実構造物における腐食抑制の検証成果について
~土木学会全国大会にて共同発表予定。最長16ヶ月の暴露試験で腐食抑制効果を確認~

八千代エンジニヤリング株式会社(本店:東京都台東区、代表取締役社長執行役員:高橋 努)は、大日本印刷株式会社(以下「DNP」)が開発した、鋼構造物の早期劣化が発生しやすい部位に適用可能な「DNP EB防錆粘着シート」における、実際の構造物を用いた実証試験を実施しました。
本成果は、2026年9月に開催される公益社団法人土木学会「令和8年度全国大会 第81回年次学術講演会」にて公表する予定です。多摩市の協力のもと、同市内の実際の構造物を用いた最長16ヶ月におよぶ追跡調査において、防食性能と、専門技能を必要としない高い施工性が実証され、インフラ維持管理におけるライフサイクルコスト(LCC)の縮減に寄与するものとして期待されます。



・インフラ維持管理における課題と「DNP EB防錆粘着シート」について・

橋梁などの鋼構造物は、漏水箇所や部材の塗膜が薄くなりやすいエッジ部などで早期に腐食が発生しやすいという課題が存在しています。橋梁全体で一様に劣化が進行するわけではないため、早期に劣化が生じた箇所は「部分塗装」を実施することで、橋梁全体の再塗装時期を先送りし、ライフサイクルコストの縮減を図ることが一般的な対策とされてきました。

しかし、部分塗装は施工規模が小さいために施工費用が割高となりコスト効率が見合わないことや、部分塗装の実施箇所とそれ以外の箇所で色味の違いが生じるなど、景観性における課題も存在していました。

これらの課題を解決するため、DNP社の有する高機能フィルムの設計技術およびコーティング技術によって開発された「DNP EB防錆粘着シート」を活用するとともに、弊社が長年培ってきたインフラ点検・維持管理に関する専門技術力を活かして実構造物への適用性検証を推進してきました。

DNP社製の「DNP EB防錆粘着シート」は樹脂製の透明なシートで、特殊な工具や熟練技能を一切必要とせず、離型フィルムを剥がして貼付け箇所に押圧するだけで施工が可能です。

▶「DNP EB防錆粘着シート」の詳細はこちら

DNP EB防錆粘着シートの外観

DNP EB防錆粘着シートの外観

DNP EB防錆粘着シートの概略図

DNP EB防錆粘着シートの概略図


・実証試験の結果および成果・

「DNP EB防錆粘着シート」の実構造物における簡易補修への適用性を検証するため、一部に塗装劣化や腐食が生じている実際の鋼橋(A橋:鋼箱桁橋主桁、B橋:方杖ラーメン橋橋脚、C橋:鋼製高欄)を対象に試験施工および暴露試験を実施いたしました。
定期点検時の同時施工を想定し、特別な塗装技能を持たない作業員が、錆が発生している箇所は落とせる錆を除去し、ウエットタイプの清掃資材で汚れを落とした上でシートを貼り付けるという施工行いました。1箇所あたり約15分という極めて短時間で完了し、優れた施工性が実証されました。
施工後、最長16ヶ月が経過した時点での追跡調査結果データは以下の表の通りであり、防食効果が証明されました。



1059_image3.jpg

試験施工箇所の塗装劣化・腐食の進展状況


今後は、さらなる長期的な耐久性についてモニタリングを実施していくとともに、点検時などの同時施工など、実際の現場維持管理において本技術が円滑かつ効率的に活用されるよう、運用体制の仕組み化や構築などの検討を進めていく予定です。