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2026年09月30日

岩国市「橋梁包括維持管理に向けた点検計画設計業務」を受注
~中四国・山口県内初の「広域コンサル×地元コンサルJV型包括委託」により1,494橋のアセットマネジメントを高度化/早期の予防保全への転換を目指す~

八千代エンジニヤリング株式会社(本店:東京都台東区、代表取締役社長執行役員:高橋 努)および株式会社巽設計コンサルタント(本社:山口県光市、代表取締役:光井 謙二)で構成する「八千代エンジニヤリング・巽設計コンサルタント共同企業体」は、山口県岩国市の「橋梁包括維持管理に向けた点検計画設計業務」を受注いたしました。
本業務は、岩国市が管理する1,494橋の道路橋を対象に、従来個別に発注されていた「橋梁定期点検」「長寿命化修繕計画策定」「補修設計」の各業務を3カ年の長期包括契約として一体的に実施するものです。東京都多摩市や岩手県盛岡市などにおける橋梁包括委託の先導的実績を有する広域コンサルタント(八千代エンジニヤリング)と、岩国市の橋梁構造や地理特性に精通した地元コンサルタント(巽設計コンサルタント)が共同企業体(JV)として包括委託を執行する手法は、国内でも事例が限られる先進的なスキームとなります。
本共同企業体は、大局的かつ一貫性のある診断・設計プロセスとデジタル技術を融合させることで、点検・診断から補修設計、計画改定に至る一連のメンテナンスサイクルの最適化を推進していきます。事後保全型から予防保全型管理への早期転換を達成し、地域インフラの安全性確保と自治体業務の効率化に貢献します。



・業務の背景と目的・

公共インフラの老朽化が急速に進行する中、岩国市が管理する1,494橋(2026年3月末時点)の道路橋においても、建設後50年以上の橋梁が全体の約6割を占めています。早期に措置を講ずべき「健全性判定Ⅲ(早期措置段階)」の橋梁は126橋に達しており、従来の単年度・個別発注方式の場合は、全ての補修を完了するまでに約25年を要すると試算されています。また、自治体における土木技術職員の不足や発注事務負担の増加、診断評価のバラツキといった課題が山積しており、予防保全型管理への移行を阻害する要因となっています。岩国市はこうした背景を受け「包括的民間委託事業」の導入を決定しました。



・業務概要・

業務名

橋梁包括維持管理に向けた点検計画設計業務

発注者

山口県岩国市

受託者

八千代エンジニヤリング・巽設計コンサルタント共同企業体(代表企業:八千代エンジニヤリング株式会社、構成企業:株式会社巽設計コンサルタント)

履行期間

2026年9月~2029年3月



・本プロジェクトにおける主要な取り組み・

本共同企業体は、包括委託業務で培った知見と地域密着の技術力を融合させ、以下の取り組みにより岩国市のアセットマネジメントを高度化します。

1. 一貫性のある診断と修繕期間の短縮

従来の発注方式では、点検・補修設計ごとに事業者が異なることで診断基準や判定レベルに相違が発生するなどの課題がありました。本業務では、包括委託の強みを生かし、岩国市全域の橋梁状態を俯瞰して大局的かつ一貫した診断を実施します。点検、設計、長寿命化計画といった維持管理のプロセスの連携による一貫した管理や維持工事の活用、データ駆動型の管理によって、修繕完了期間の短縮を推進し、早期に予防保全への転換を目指します。



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従来発注と包括委託での診断の違い



2. デジタル技術・3次元データ・AI診断システムの活用

補修設計対象橋梁においては、スマートフォンなどを活用して写真・動画データを取得し、3次元も活用した診断および補修設計を実施します。これにより、設計段階における現地再確認の手戻りや二度手間を削減します。

3. 点検時の「簡易補修」実施と長期契約を生かした「追跡調査」

構造的な安全性に影響が小さい剥離や鉄筋露出などの損傷については、点検作業時に現場で簡易補修を実施します。床版疲労や基礎の傾斜などの進行性損傷に対しては、3カ年の長期契約を生かして継続的に観測する「追跡調査(経年観察)」を実施し、不要な工事を回避することで維持管理費を最適化します。

画像処理とAIによるひび割れ追跡調査

追跡調査の例

4. データベース整備とデータ駆動型アセットマネジメントの導入

既存の台帳や点検調書、設計図面を一元管理できる汎用型維持管理システムの選定・導入検証を行います。劣化進展や社会的影響度(交通量・迂回路の有無など)を総合的にスコア化して修繕優先順位を可視化する「データ駆動型管理ツール」を構築し、受発注者間で意識共有を図ります。

5. 行政負担の軽減と「維持工事」活用・技術継承支援

小規模修繕の増加に対し、補修設計を挟まずに工事へ直結させる「維持工事」の適用工種を整理し、点検要領への反映と本格導入を提案します。また、土木技術職員の不足に対応するため、座学・現地実習を組み合わせた研修や、包括委託のマニュアルを作成し、自治体内部の技術力維持・継承を強力に支援します。