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2026年11月06日

当社が技術支援した「入間川流域緊急治水対策プロジェクト」が完了
〜遊水地計画地の水路網調査から付け替えルートの検討まで、治水と営農の両立を支援〜

八千代エンジニヤリング株式会社(本店:東京都台東区、代表取締役社長執行役員:高橋 努)が技術支援を行った埼玉県内の「入間川流域緊急治水対策プロジェクト」が完了し、2026年10月25日に完了式典が執り行われましたのでお知らせいたします。
入間川は、越辺川や都幾川、高麗川などを合わせて荒川に合流する支川です。「令和元年東日本台風」では、流域で観測史上最大の雨量を記録し、堤防5カ所が決壊するなど、広範囲で甚大な浸水被害が発生しました。これを受け、国・埼玉県・流域市町などが連携し、2020年に「入間川流域緊急治水対策プロジェクト」を取りまとめ、河道掘削・堤防整備と遊水地整備などを組み合わせた「多重防御治水」が進められてきました。当社は、本プロジェクトの一環である国土交通省関東地方整備局荒川上流河川事務所の「R2入間川流域遊水地内水路等施設検討業務」において、越辺川・都幾川の遊水地を対象に、農業用水・排水の機能を確保するための水路の付け替えルートを検討しました。
近年、水災害の激甚化・頻発化を背景に、河川の整備に加えて流域全体で洪水を受け止める「流域治水」の重要性が高まっています。流域治水の取り組みの一つである遊水地は、その多くが農地に計画されるため、治水機能の確保と地域の営農との両立が欠かせません。当社は今後も、河川分野の知見と最新技術を生かし、安全・安心な社会インフラの整備と、地域に寄り添った持続可能な社会の実現に貢献してまいります。


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2026年10月25日に開催された完了式典



・当社の支援内容・

当社は治水と営農の両立に向けて、水路網の現況把握から計画・概略設計、法令手続きを見据えた地歴調査まで、次の技術支援を行いました。
① 現況水路網の把握とGISデータベース化(現地調査・測量)
既存資料に詳細な記録がなかった計画地の水路網について、約1,000地点の水路を現地で確認し、構造(材質・幅・深さ)や水源・分水施設、流末を把握しました。水路勾配は、RTK測量(高精度な衛星測位をリアルタイムで行う技術)に加え、UAV(ドローン)測量や航空レーザ測量で得た三次元データを組み合わせて設定しました。さらに、土地改良区や関係自治体への聞き取り結果も反映し、ポンプ場・井戸・倒伏堰などを網羅した現況水路網図をGIS※で構築しました。各水路の流下能力も評価し、詳細設計に引き継げるデータベースとして整理しています。
② 機能を担保する付け替えルートの検討(計画・概略設計)
「現況の水源と受益地の関係を変えない」ことを原則に、改修が必要な用水・排水ブロックごとに、複数の概略ルートや樋門の位置、ポンプ場・井戸などの代替施設を比較検討しました。必要通水量・経済性・維持管理の観点から最適案を提案し、都幾川遊水地では既設の倒伏堰を活用して取水する案が採用されました。また、水源を変更する区画では、田植え前の代かき期の必要水量をもとに水収支を検証したうえで、水路など施設の概略設計を行い、概算工事費を算定しました。
③ 地域への説明を見据えた付け替え計画の可視化
土地改良区の関係者や地域の皆さまに機能補償の内容を分かりやすくお伝えできるよう、新旧の水路網を比較した付け替え水路イメージを作成しました。
④ 土壌汚染対策法に基づく地歴調査
遊水地整備に伴う一定規模以上の掘削を見据え、約16haを対象に公図・登記簿・旧版地形図・空中写真などの資料調査、聴取調査、現地調査を実施し、土壌汚染のおそれの評価を行い取りまとめました。


※GIS:地理情報システム(Geographic Information System)で、位置情報を持つさまざまなデータをデジタル地図上で重ね合わせ、一元的に管理・表示・分析できる仕組み